数を集合数として捉えることの大切さ

4月に入り、ピグマリオン学院が正式に開校いたしました!

さて、3月はその前段として個別での体験会を開催させていただいていたのですが、その中でやはり気になったのが、

”多くのお子さまが、1,2,3と数える癖が既についている”

ということでした。

少し言い方を変えると、

”数を1,2,3と数えないと、個数を数えられない”

のです。

そして、残念ながら共通して言えることは、

「数えるのが遅い」

という特徴。

では、これが「人間の先天的な数の覚え方か?」というとそうではないのは、そうではありません。

親や兄弟、そしてお友達から、計数(数を数える)と数唱(数を1,2,3と順番に唱える)教えられたり、真似したりしてしまっているのです。

他の幼児教室や塾の影響を受けているように見受けられるお子さまもいらっしゃいました。

しかし、数を唱えても、数の概念が養われるわけではありません

数の概念が養われないまま、10まで、20までは言えるようになり、ただし、

”自分で唱えている20がどのくらいの量なのか?”

という実感が伴わないまま、言葉だけ言えるようになっています。

ピグマリオンの指導法を調べていただいている方には、既にご存知の通り、ピグマリオンでは、

「数を集合数として、そのまま感じさせる」

という指導法で、その後の数の学習に繋げていきます。

・まずは、1から3を瞬間的に見分けられるようにして、
・次に、4は2と2の合成でできており、5は2と3の合成でできていると捉え、
・5までの数を瞬時に見て取ることができるようになってから、6は3と3、5と1…

などと指導していきます。

詳しくは教室で実践していくとして、このような流れで進めていくと、早い子では4歳で20までの加減計算(繰り上がり・繰り下がり)ができるようになります

個人差はあります。

実際に、今回の体験でも、数字をかたまりで捉えることができているお子さまは、3歳(年少下) で繰り上がりの足し算が出来ていました。

お子さまが、

「1,2,3」

と数えて、3歳で10まで言えると、

「凄い!」

などと誉めがちですが、その狭い範囲での成功体験が、もっと広げることができるかもしれないお子さまの可能性を閉ざす結果になってしまっているかもしれません

例えば、

20までの加減計算だけなら、丸暗記でなんとかなるかもしれません。

ただし、1対1対応で繰り上がり・繰り下がりができるようになっても、

「7823+1349」を暗算ですぐにできるようにはならないでしょう。

数を、集合数として捉え、合成や分解が自在に扱えれば、その後の数の学習がどんどんスムーズに進んでいきます。

その可能性を潰さないためにも、とにかくかたまりからのスタートです。

数えてしまっているお子さまには、その数え方を直接否定することは避けつつも、数えるクセを取り除くところから始めていきます。

少し時間がかかるお子さまもいらっしゃいますが、そこは根気よく刺激をいれていきましょう。

そして、もちろん早く計算できるように越したことはありませんが、私たちが養いたいのは「計算の速さ」「早い時期から計算ができるようになる」というコンピューターのような人間ではなく、

「思考力や創造力を育てる中で、まずは10000までの暗算ができるようになるお子さまになっていただく」

ということです。

その土台として「集合数で捉える」ということをコツコツと刺激していくということをご理解いただければと思います。

ピグマリオン学院 麻布十番教室