ピグマリオン学院では、「10000までの加減計算」ができるようになってから、「かけ算」に進むカリキュラムになっています。
このような問題を暗算でスラスラと解けるようになるのがピグマリオンの一つの特徴です。
ただし、この「10000までの加減計算ができる」というのを目的化してはいけないように思います。
もちろん、「10000までの加減計算ができる」ことによる直接的な効果としては、前回の記事でもご紹介したように「単位換算がスムーズにいきやすい」というような、直接的な効果があるのは事実です。
ただし、それよりも大切なこととして、このような暗算ができるということは、
「同じタイミングで、複数の処理が可能な、思考力と処理能力がついている」
ということなのです。
(1)の問題の場合、「6342-2193」という問題の場合、ピグマリオンをされているお子さまの場合は、さまざまなアプローチで問題を解いているかと思いますが、例えば、
「6342-2200=4142」としてから、7を足して4149と導くお子さまもいるかもしれません。
あるいは、
「6300-2100=4200」から、「4242-93=4149」だったり、
「63-21=42」「142-93=49」だから、「42を41にして49をくっつける」
というような頭の中の処理をしているお子さまもいるでしょう。
いずれにせよ、これらは、ウッディブロックやヌマーカステンでの合成・分解を応用することで、このような計算が可能になります。
点描写の「鏡絵」「水面の鏡」「回転」などが自由自在にできるお子さまの多くは、10000までの加減計算が早くできるようになる
というのは、「10000までの加減計算」が出来る一つの目安と言えますが、これも前回の記事でご紹介した「文法的推論能力」が高まれば、自然と10000までの加減計算ができるようになるのです。
ピグマリオンの学びの手順を踏まえれば、
「暗算力は図形力」「暗算力は、合成・分解能力」「暗算力は推理力」
になり、
「図形力は暗算力」「合成・分解能力は暗算力」「推理力は暗算力」
になるのです。
ピグマリオンのメソッド・ツリーですが、全てがつながるようなメソッドだから、受験にも結果が出るし、数学にもつながります。(ピグマリオンが目指しているところは、その先ではありますが)
そして、「10000までの加減計算ができる」というのは、あくまでも一つの通過点だということを、忘れてはいけませんし、仮に「100までの加減計算」や「1000までの加減計算」で少し足踏みをしても慌てる必要はないです。
もし足踏みしてしまったら、それは「数」だけの問題ではなく、「図形力」「推理力」だったり、その前段階の「指先能力」や「比較する力(目の力)」の可能性があるので、それらの能力を高めていければ良いだけです。
SNSを見たり、他の通室生と比較して焦ってしまう可能性は、もちろん否定できませんが、そんなときでもご自身のお子さまだけを見てあげることにフォーカスし、お子さまと一緒になって取り組んでいただければと思います。
通室のメリットとしては、どうしてもわかりやすい「計算が出来るようになる(繰り上がり・繰り下がりが出来るようになる等)」というところ以外の観点で、講師がトータルでそのお子さまの能力を引き上げるためのサポートをさせていただけるというところかと思います。
ピグマリオン学院 麻布十番教室