ピグマリオン学院でも年少下から取り組む天地パズル。
こちらの原型がタングラムであることには違いありませんが、ただし天地パズルは”タングラムとは別物”と言えるくらいしっかりと現代に適応した木製パズルということが言えます。
そもそも、タングラムとは「問題として提示された形を作るシルエットパズルの中で非常に有名なものの一つで、正方形をいくつかに切りわけたものを使うパズルである」とwikipediaで示されています。
通常は、販売されているタングラムは、直角二等辺三角形(大2、中1、小2)と、正方形1、平行四辺形1の合計7つのピースで構成されています。
なお、直角二等辺三角形(中)と正方形と平行四辺形は同じ大きさで、直角二等辺三角形(小)を2つ組み合わせたものと同じ大きさになっています。
こちらは、中国が起源という説が有力で、特に18世紀以降にヨーロッパやアメリカ、そして日本においてもタングラムやそれに似たシルエットパズルに関する書物が発刊され、近世の人々も楽しんでいたようです。
ちなみに、1942年には「タングラムの定理」というような学術論文が掲載されており、かなり歴史のあるパズルと言えます。
次に、天地パズルについて述べたいと思います。
天地パズルは、このタングラムの直角二等辺三角形(大)を、平行四辺形と直角二等辺三角形(小)に切り分け、8つのピースに増えます。
これにより、当然ながらパズルでできるシルエットがさらに細かくなり、パズルの難易度が上がり、試行錯誤する場面が増えます。
そして、「ただ難易度を上げられる」ということではなく、”幼児が触れ合う形の種類が増えている”というところが、図形能力を更に高めるためのキーになっているということです。
こちらの天地パズルと2〜3歳から触れ合うことで、「台形」「平行四辺形」という言葉を覚える前に、幾度となく触れ合い、頭の中に育て上げることができます。
遊びながら図形の合成・分解を体感していくことで、図形ネイティブ(←私の造語ですので、ピグマリオン用語ではありません)の基礎が養われるわけです。
学校教育では、主に小学校中学年以降の算数の授業で図形が取り上げられますが、その時から始めても、もう図形ネイティブにはなれない可能性が高まります。
昨今、幼児の英語教育が盛んですが、日本人として生まれた場合、この令和の時代であっても、英語ネイティブと図形ネイティブのどちらを優先すべきか、と考えると、個人的には図形ネイティブ(の先の思考力)を優先させたいとは思います。
これは、英語教育を否定するものではなく、思考力の源泉となる図形形態能力をより重視した方が良いご家庭の方が、多いのではないか?というお話です。
この天地パズルは、ピグマリオン学院では年少下(2〜3歳)から取り組み、小学生以降も取り組んでいただく学具です。
それだけ汎用性が高い上に、図形能力を高めるために非常に有用なツールと言えます。
と同時に、タングラムや天地パズルは、平面の図形能力を養うためのものであり、立体の図形能力を楽しく養うためには、また別のアプローチがあります。
こちらの記事を読んでいただき、「タングラムより天地パズルが良さそう」と思ってご購入されるのは良いのですが、結局一つ一つのピグマリオンの学具や学材が、すでに世に出ているパズル教材などよりも、より深く考えて作られていて、それがすでに連続したストーリーを持ちながらカリキュラムが進んでいくわけです。
平面図形から立体図形に関しての能力が養われていくにつれて、二次元から三次元的な視点や思考力が育つ基礎を天地パズルが担っているわけですね!
ピグマリオン学院 麻布十番教室