ピグマリオン学院 麻布十番教室では、インスタグラムも運用していますが、文字数をそれほど長く書けません。
そのため、このように少しずつ記事にしていくことで、ご興味いただいている方にわかりやすく説明する機会を定期的に作っていきたいと思います。
さて、「7-3が、繰り下がりの計算のスタート」と説明されて、ピンと来る方はほとんどいないかと思います。
普通は「15-7」や「17-9」のような、10をまたいだ引き算のことを「繰り下がり」という認識でいらっしゃると思います。
ただ、5進法を視覚的に分かりやすくした学具である「ヌマーカステン」を用いると、「7-3」は「5をまたいだ繰り下がり」と考えることができます。
まずは、ヌマーカステンに7を並べ、
その後に2を取ります。
その後、2を取ると5になります。
そして、5を境に1を取ると、
4になります。
まとめると、「7-3」は、5を基準にすると、2を減じ、5から更に1を減じる「減減法」で計算ができますが、ヌマーカステンを使うと、それが視覚的に分かりやすくなります。
この原理を「12-3」に使えば、10を基準にして、2を減じ、10から更に1を減じれば答えが9になります。
ということで、ヌマーカステンを使えば、まずは「7-3」レベルで繰り下がりの基本の考え方の一つを体験できるので、「12-3」レベルの繰り下がりに対する壁がなくなります。
この方法を拡張させていけば、100まで、1000まで、10000までの引き算も、自ずと出来るようになっていきます。
これらは、あくまでもヌマーカステンの利点の一部ではありますが、「減減法」のような用語を子どもに伝えなくても、ヌマーカステンを使っていけば、視覚を通じて実感し、理解していくことが可能です。
また、
「繰り下がりの計算は減加法が一般的である」
というような記述がさまざまな場面で見受けられますが、そもそも
「減加法か減減法のどちらかを採用して教える」
という二元論的な指導ではなく、
「子どもが解答の仕方を発見していくことで、さまざまな問題に対応できるようになる」
ことの方が、いわゆる応用力の育成に繋がるかと思います。
「ただ機械的に、計算を早く解くマシーンのようなお子さまになって欲しい」
のか、
「滅加法にも減減法にも対応でき、その場で適切な判断を下せるお子さまになってほしい」
のか、どちらの教育を選ばれますでしょうか?
私は、個人的には後者の方が良いと思っていますし、そのためにも
「数を量として瞬間的に捉える」
という前段で養うべき能力を、なるべく幼児の早い時期に完成していただきたいと考えています。
ピグマリオン学院 麻布十番教室