「教えるのではなく学ぶこと」。
3月6日に開催された「ピグマリオン学院 麻布十番教室開校記念」における伊藤恭先生の講演会の前に、私も挨拶させていただき、その時に少しだけお話をさせていただいた言葉です。
「本物の幼児教育とは」(著:伊藤恭)という書籍の中で、以下のようなことが記されています。
教えるときの私たちの心は、相手を思い通りにさせようという気持ちでいっぱいです。私たちの心は、自分のことでいっぱいになり、感性を失って、相手を見なくなっているのです。共感をなくし、それ故、相手から学ぶことができなくなっているのです。
「本物の幼児教育とは」 p42
それでは、教えられている方の精神状態はどうなっているでしょうか?
そして、今度は、教えられている時の精神状態を思い出してください。相手の苛立ちが感じられ、相手が相手の意見・正しさを強制しようという感情からの圧迫を感じ、それらへの反発が、学ぼうとする意欲をなくさせ、学ぶべきものへの全一的な感情移入を妨げてしまいます。
「本物の幼児教育とは」 p42
自分の子どもへの期待が、「教える」という行為によって、「自ら学ぶ」という芽を摘み取ってしまうリスクがあります。
幼児教育に熱心なご家庭であればあるほど、もしかしたらその熱心さが諸刃の剣になってしまう可能性があるのです。
そもそも、ピグマリオンでは幼児家庭学習コースがあり、教室に通室しなくても家庭において効果的な学習ができるような制度が整っています。
では、ピグマリオン学院のような教室にはどのような価値があるかというと、もちろん教室自体が複数のお子さまをご指導する中でノウハウがたまっていたり、お困りごとの解決法を素早く・的確に(時には、伊藤先生や本部の力を借りつつ)サポートできるというのもありますが、とにかく「学ぶ」ということへの意識づけを徹底させていただくことにあるのではないかと思います。
その意識づけは、お子さまではなく親御さまに。だから親子同室であることに価値があるのです。
年少下や年少の頃は、どんなに親御さんが素敵な雰囲気を作り出しても「イヤイヤ」となってしまったり、時には泣きだりしてしまうこともあるでしょう。
「他のご家庭に迷惑がかかってしまって申し訳ない」という気持ちになってしまったり、もちろんイライラすることもあるでしょう。
そんな時の緩衝材として(それは親御さんだけではなくお子さまにとっても)、教室をご利用されることで、いつ間にかお子さまは成長していき、ある時、
「あれ?手がかからなくなってきた」
となるはずです。
その過程で、ピグマリオン学院の6つの能力である「指先能力」「空間能力」「図形能力」「思考・判断能力」「数論理能力」「言語能力」とともに、試行錯誤を通じた「最後までやり抜く力」のような心の育成も養っていけるのです。
「本物の幼児教育とは、心と能力が同時に育つ教育です」
その言葉はとても重いですが、通っていただける皆様のサポートができる場になれればと考えています。
最後に、余談ですが、現在は立ち上げ期のため、更新頻度高めですが、徐々に日記の更新頻度は落ちていくと思いますので、ご了承くださいませ。